今までに二度、とんでもなく水回りの汚い男に出会ったことがある。
一度目は十九歳の時、二度目は二十四歳の時。二度目の方とは数ヶ月だけ付き合っていた。
共通して汚かった場所は台所のシンクとお風呂場。
シンクはまだ許せたが、お風呂場は本当に最低だった。床一面、カビで真っ黒。
見た瞬間、言葉が引っ込んでしまった。
しかも、湿度でふやけて少しぼやけた感じの真っ黒さなので感じが悪い。
サランラップで海苔付きおにぎりを長時間包んでおいたときの海苔に似ている。
あと、シャワーの水圧でカビが動くことにも衝撃を受けた。
シャワーを当てても動かないカビもいたので、シャワーの水圧で流れたカビは直近で誕生したものと思われる。
一度目のお風呂場の床はまだ足の踏み場があったので良かったが、床一面、カビで覆われていた二度目のお風呂場はアウトだ。
ただ、差はあれど、大量発生(もう海苔)しているカビを見て見ぬふり出来る一度目も二度目もカビと同じだと私は思う。
面白いことに、一度目と二度目は汚れ箇所だけでなく、性格も似ていた。
二人とも外面が非常に良いので友達が多いいが、思いやりとデリカシーが全くない。また、相手には厳しくするくせに自分に甘かったり、見栄っ張りなのに言い訳が得意だったりとズルい部分がある。あと、ケチである。
ここまでそっくりなことあるのか?とビックリしたが、”掃除をしない”ということは=”だらしがない”ということなので、そこまでおかしいことではないのかもしれない。
この二人以外でも、「自分、友達多いです!」という人は全員ではないがズルい人が多い気がする。
気のせいだったら申し訳ない。
ケチで思い出した、一度目のエピーソードを一つ聞いてほしい。
一度目が財布を私の鞄に入れて欲しいと言ってきたときがあり、そのまま持って帰ってきてしまった時の事。
自分の家に着いたあとで「今出先なんだけど、財布入ってない?」と電話が来たので、「入ってたよ」と答えると、一度目は自分の所まで持ってきて欲しいと言う。
雪が降っているので断ったら、「私の不注意が原因じゃん」と自分は何も悪くないというスタンスを取ってきた。
お願いして忘れたのはあんたなのに…と思いつつ、「外にいるならそのままタクシーに乗って取りに来れば?」と伝えると、「俺が悪くないのになんで行かなきゃならないんだ」と文句を言う。
埒があかないので「タクシー代出すって言ったら取りに来るの?」と聞いてみると、一度目はすかさず「行く」と答えた。
もうドン引きである。責任を片方に押しつけ、さらにケチを発揮。本当に男か?
一度目とはもう、それっきり会っていない。
二度目のエピソードも紹介したい。
一番、思い入れが強いのは「生理を一日で終わらしたら?」発言。
生理中のセックスについて話し合っていたときの言葉だ。
びっくりして膣がヒュンとしたのを覚えている。
カフェで「お会計はご一緒でよろしいですか?」と聞かれた際に、何も答えずに黙って突っ立ってたこともあった。(二度目は割り勘スタイル)
頼んだ飲み物は280円。
割り勘に慣れた頃だったので別に払ってほしいとも思っていなかったが、お前の希望で割り勘にしているのにかっこ悪いのが嫌なのか知らないが、「別々で」を言わないのはどうなんだともやもやした。
ちなみに私は割り勘は無理派である。しかし、払って貰いっぱなしは嫌なので、会計の端数や家での家事炊事代、駐車場代等の雑費は出している。
外食をしないからか、結果的に多く払う事が多いのであまり意味はない。
他にもギョッとするエピソートがたくさんあるが、ここに書き切れないのでここまで。
最後に。掃除を日常的にさぼるような男にろくな奴はいないと私は思っている。女も同じ。
掃除をしない女の子を家に住まわせていた時があったが、やっぱり酷かった。
今回、例を挙げた二人の性格が似ているという話をしたが、「だらしなさの同じ、遺伝子の違う別個体」の性格が似ていたのは本当に不思議に思う。
この二人がたまたま似たような性格をしていただけかもしれないという可能性もあるので、あと一人、比較対象が欲しいところだ。